ブランドとは?
ブランディング(branding)とは、ブランド(brand)という言葉にingがついたものです。ブランディングの前にまずブランドとは何かを明確にしましょう。
ブランドの語源は、家畜などに焼き印を押すことを意味するBurnedからと言われています。なぜ家畜に焼き印を押すのかというと、自分のものと他人のものとを見分けるためです。そこからbrandという単語には焼き印、転じて、商品名や銘柄といった意味があります。
アメリカ・マーケティング協会はブランドを以下のように定義しています。
個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの
売り手からすると、見込み客に対して競合の製品との違いや価値を理解してもらう必要があります。違いを理解してもらうためには、自社商品と競合の商品は違うものであることを認識してもらわなくてはいけません。そのために、上記の商品名、キャッチコピー、ロゴやマーク、商品のデザインそのものを活用すると言えるでしょう。
ブランディングとは?
企業からすると、連想されるにあたって望ましいイメージというものがあるはずです。ラグジュアリーブランドを取り扱っている企業は、企業名から高級なイメージを持たれたいですし、100円ショップであれば社名や店舗から高級なイメージを持たれるのは困ります。
ご存じの社名や会社名を聞いたとき、ある一定のイメージを連想するといったことはないでしょうか?例えばMicrosoftとAppleと双方の社名を聞いたときに連想することはそれぞれで異なるはずです。さらに付け加えると、人によって連想するイメージが異なることもありえます。
見込み客に商品・サービスを購入してもらうためには、戦略に沿ったイメージを顧客に抱いてもらう必要があり、そのための仕組みづくりや活動全般がブランディングと言えます。
なぜブランディングが必要か、それは競合との違いを認識してもらうことによって競争を回避する、あるいは競争に勝つためです。その上で、顧客が自社の商品・サービスを購入する機会を増やし、一人の顧客、一社の顧客当たりの売上を向上させるためです。
例えば、製造業のWebサイトを制作するならここが一番だと顧客や広告代理店に認識してもらうことができれば、Webサイトを制作、あるいはリニューアルするにあたって第一の候補になりやすく、受注できる確率は高まります。競合と変わらないと認識されていたら、受注できる確率は競合と変わらいでしょう。そうなると、価格競争に陥る可能性が高くなります。
競合との違いを認識してもらうためにはまず顧客が自社に対して知覚しているイメージと、自社が知覚してもらいたいと考えるイメージ像をマッチさせる必要があります。シンボルマーク、イメージカラー、イメージキャラクター、イメージソングなど五感に訴求する手法を活用することもありますし、文化的事業への寄付や協賛、CSR活動など、行動そのものでイメージを構築していく手法もあります。
ブランディングというと、デザインの統一やシンボルマークなどによる見た目の差別化というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、ブランディングとは見た目の話だけではありません。形のないサービスでも、提供するサービスそのものや、サービスの質、提供方法が異なれば顧客の受ける印象も異なってきます。
つまり、戦略や顧客、提供する価値、どのようなイメージを抱かれたいかといったことを理解した上で、ブランディングを考えていく必要があります。いくら顧客に対して親切丁寧だと訴えていて、クリエイティブでそれを表現していたとしても、実際の従業員の顧客対応が悪ければ、顧客に親切丁寧な企業だと知覚してもらうことはできません。
理解度Check
以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?
ブランドは競合との差別化や顧客に価値を伝えるための要素や概念である。したがって、高級ファッションや高級バッグといった単価の高い商品において重要なものである。
- ×不正解
- 差別化の重要性は価格帯を問わないため、ブランドは価格とは全く関係ありません。また、商品だけでなくサービス財においても重要性は変わりません。