JIS規格(JIS Z 8002)において標準化とは「実在の問題又は起こる可能性がある問題に関して,与えられた状況において最適な秩序を得ることを目的として,共通に,かつ,繰り返して使用するための記述事項を確立する活動。」とあります。
要するに、同じ作業に対して、実行をする度やり方や手順が異なる、あるいは作業者ごとにやり方や手順が異なると、アウトプットに悪い影響を与えるため、統一したやり方を定めましょうということです。
電車で通勤をするところをイメージしてください。いつもと同じ時刻に家を出て、いつもと同じ道を通り、いつもと同じ電車に乗れば、電車の遅延等のトラブルがなければ、何度やっても同じような時刻に会社に到着するはずです。これが、毎日異なる時刻に家を出る、毎日違う道を通る、違う電車に乗るといった普段とは異なる行動を取ることで、いつもとは会社への到着時刻が変わるというのは納得いただけるでしょう。
クリエイターの仕事は同じものを大量生産する訳ではないので、ワンパターンになってしまうと評価の低下にもつながりかねません。しかし、考える必要があまりない単純作業であれば、標準化することでQCDの向上を図ることができます。
標準化の効果
作業を標準化することで以下の効果が望めます。
品質の安定化と向上
同じやり方、同じ手順で作業を行うことで、品質のバラツキが低減します。また、最低限の質の担保ができることで品質の向上が見込めます。
通常作業の時間短縮が果たされる分、考えなくてはいけない案件や作業にかける時間を増やすことができ、標準化されていない業務の品質の向上も見込めます。
作業時間の安定化と短縮
同じやり方、同じ手順で作業を行うために作業時間は安定します。また、決められた手順に作業するということは、考える時間が発生しないため、作業時間の短縮にもつながります。
クリエイターの場合、人件費が主なコストとなりますが、作業時間が短縮されることでコスト削減も見込めます。
教育時間の短縮
決められたやり方や手順を守れば良いため、自分で考えて最適な解を出せるようになるための教育が不要になります。
組織全体の力が高まる
作業を標準化することで、特定の個人への依存度が低下します。誰でも作業を行えるようになることで、人員の活用の効率化を果たすことができます。
マニュアル化
作業を標準化することで、マニュアルとして明文化することが可能になります。マニュアルを作業者がいつでも見ることができるようにすることで、標準化の効果はより高まります。
理解度Check
以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?
一度標準化した作業を変更することは、却って混乱をきたす可能性があるので、極力変更をしないようにする。
- ×不正解
- 標準化することで終わりではありません。定期的にPDCAサイクルを回しながらブラッシュアップしていく必要があります。