チャネルとは経路のことです。顧客視点で見ると、入手のしやすさということになります。いくら欲しい商品・サービスでも注文に手間がかかって煩わしい、欲しい時に買えないものは購入候補から外されて失注してしまいます。
商品・サービスの生産者から最終消費者に至るまでの流通チャネル、顧客へのメッセージの発信や受信するためのコミュニケーションチャネル、購買者への製品の販売を行なう販売チャネルの3つの考え方があり、それぞれに長さと幅の概念があります。
チャネルの長さと幅
チャネルの長さ
最終顧客との直接の取引ではなく、広告代理店が間にいる場合は、クリエイター⇒広告代理店⇒最終顧客というような流通経路ができます。このように最終顧客までの段階が多いほどチャネルが長いということになります。
当然、チャネルが長くなればなるほど中間コストがかかりますし、川上であるクリエイターから川下である最終顧客に商品・サービスが納品されるまでの時間もかかります。先ほどの例で言えば、顧客から直接受託するときと比較して、広告代理店が中間マージンを取るのでクリエイターの売上が下がったり、最終顧客とクリエイターが連絡を取るに当たっても広告代理店を経由する分、納期も長くなったりします。
もちろん、広告代理店が間に入ることのメリットもあるのですが、チャネルの話からは外れますのでここでは割愛します。
チャネルの幅
幅とは各段階における取引先の種類と数のことで、基本的にチャネルの幅が広い方が取引の成果が高まったり、有利な条件で取引ができたりします。例えば、単一の写真素材サイトしか使用しないよりも、複数の写真素材サイトを使用する方がイメージにマッチした写真素材を入手できる確率が高まるといったことです。
- Check Point
- 自分が付加価値の提供を受ける相手を選ぶ場合はチャネルの幅が広い方が有利であり、自分が選ばれる立場の場合は顧客に取ってチャネルの幅が狭い方が、クリエイターにとって有利になるということになります。
チャネルは自社だけで完結しないことが多いため、他のマーケティングミックスの要素よりもコントロールが難しいかもしれません。しかし、意識はしておく必要があります。
特にイラストレイターであれば、最終顧客から直接受注するケースよりも、最終顧客の望むテイストのクリエイティブを作るために、他のクリエイターからの受注というケースが多いでしょう。したがって、普段から情報を発信するなどして、コミュニケーションが取れるデザイン会社の数を増やす(=幅を広げる)といった対応は可能なはずです。
理解度Check
以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?
生産者から顧客までのチャネルが短いほど、関連する業者の負担が大きくなるので最終小売価格が高くなる傾向にある。
- ×不正解
- 途中の業者の数が少ないほど、中間マージンが減って最終小売価格が下がります。店舗でPCを販売しているメーカーの製品とDELLやHPなどのPC直販メーカーの販売価格を比較すると分かりやすいです。