内部の環境分析(経営資源)を行うためのフレームワークで、日本語で価値連鎖とも言います。事業全体を主活動と支援活動に分類した上で、機能ごとに分け、どの機能で付加価値が生み出されているか、どの部分が競合と比較して強みあるいは弱みであるかを分析するために使用します。バリューチェーンを活用して、競合に対する競争優位の源泉を探す、付加価値を高めるためにアウトソーシングするべき苦手な個所を探すなど、戦略策定や事業の改善に役立てることができます。
主活動と支援活動
下の図はWeb制作会社のバリューチェーンのイメージです。それぞれの項目と項目数は業種業態によって異なります。自社の事業を当てはめてみて下さい。
主活動
顧客に対して付加価値を提供し、売上を上げるためのクリエイターにとってメインとなる一連の活動です。制作物のクオリティが高いといっても、企画力が高い、制作のスキルが高いといったようにクリエイターによって違っている可能性があります。主にヒアリングから制作までの過程の中で、どのプロセスが特に高い価値を生み出しているか、どこが苦手であるかといったことを分析するのに活用します。
支援活動
主活動をサポートするための活動です。直接的に付加価値提供にはつながらないものの、企業活動において重要なもので、これらがボトルネックになっていると主活動にも枠影響を及ぼす可能性があります。
VRIO分析との組み合わせ
バリューチェーンのプロセスの中で、どこが強みであるかといったことを判断する方法の一つとして、VRIO分析と組み合わせるというものがあります。各項目ごとにVRIO分析を行い、比較劣位や比較優位を判断するというものです。
例えば、上の図で言えば、「営業」「ディレクション」「デザイン」「コーディング」「管理」それぞれででVRIO分析を行うということになります。
ただし、事業ドメインが明確に決まっていないと、競合が決まらず、比較ができないために曖昧な分析しかできません。
経営判断
事業において全ての活動が強みであるというのはどのような会社でも難しいことです。経営資源が限られる以上、特定の分野に経営資源を集中させ、強み、弱みを今後どのようにしていくのか、方向性の例を下に提示しました。
向上 | 維持 | |
---|---|---|
強み | 強みをさらに伸ばす | 他のことに経営資源を投入 |
弱み | 弱みを克服 | アウトソーシング |
理解度Check
以下の文章は正しいでしょうか?もし間違っているならどこが間違っているでしょうか?
バリューチェーンは事業を機能とフローごとに分け、どの部分で付加価値を生んでいるか、競合と比較してどこに優位性があるか、どこが劣っているかを分析するためのフレームワークである。
- ○正解
- 各フローごとの優位性を判断するにあたって、VRIO分析を活用することが多いです。